GREAT FARMERS to TABLE 新鮮な畑のおいしさをそのままテーブルへ

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新鮮な畑のおいしさを
そのままテーブルへ

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どう生きるか、
わたしたちが
どう繋がっているのか。
今こそ、あらためて
私たちは考えることや、
そこで気づいたことを
行動に移すことが
できると思うのです。

小林 武史(ap bank)

MESSAGE

小林 武史(ap bank)

ap bank は2003年の発足からこれまで『サステナブル』ということを大きな指標に据えながら活動を続けてきました。自然エネルギーや環境保全、そして東日本大震災での復興支援活動もそのひとつです。その活動のなかでも『食』というテーマは、持続可能な人間の営みに欠くことのできない基礎として常に重要な位置を占めていました。環境に配慮した第 一次産業への融資支援などをはじめ、東日本大震災の際には翌年の2012年に『Food Relation Network(フードリレーションネットワーク)』を立ち上げ、安心安全で豊かな食文化をつくりだすべく多くのシェフや農業人の方々にさまざまな取り組みとして繋がっていただくことができました。また、2017年に宮城県石巻市でスタートした総合芸術際『Reborn-Art Festival』では、アートや音楽とともに『食』を3本柱のひとつとしています。

そして現在、世界では新型コロナウィルスの猛威によって、すばらしい才能を持った農業人やシェフたちが苦しんでおられます。レストランは休業や自粛により大きなダメージを受け、そこに食材を卸している農業人の方々もまた大きなダメージを受けています。(特に個人経営の有能な農業人の方々が生産物のアウトプットを見失いかけています)

そこで ap bank は新たに『GREAT FARMERS to TABLE』というポータルサイトを立ち上げます。まずは、早急に第一次産業の生産者の方々の生産物を皆様に紹介することで食のマッチングを図ろうと考えます。そしてシェフたちには生産者を救済すると言う意味において、才能豊かな生産者(GREAT FARMER)の紹介やメッセージなどをいただきました。このあともさまざまな発展形としての活動を模索していこうと思っています。

食べると言う事は生きることです。

どう生きるか、わたしたちがどう繋がっているのか。みんなが家にできるだけ閉じこもっていなければならないと言うこの時にこそ、あらためて私たちは考えることやそこで気づいたことを行動に移すことができると思うのです。

— 食材が無駄にならないように

石松 一樹 シェフ
Maruta

食に携わる一人として 、「こんな状況になるとは思わなかった」という気持ちから日々危機感が募っていく毎日、ファストなものが優先されスローが後回しになっていっている感覚を強く感じています。 スーパーに人が並び、なんでも良いかのように買っていく、リモートワークに切り替えられない方々が日々コンビニで空腹を満たす。

僕たちレストランに食材を届けてくださる方々は、愛情を持って健康的に美味しく育ててくださっています。 レストランが休業になっていく中、何かしなければと模索しています。一番の気がかりは育てられたものが無駄になってしまうこと。今までとは形が違ってもいい、消費者の方々の元に届けられる手助けになれればと思います。

— 食べる事の意義をもう一度

楠田 裕彦 シェフ
METZGEREI KUSUDA

昨今の世界的な地球環境が変化している事を皆さんも肌で感じていたのではないでしょうか。 毎年日本に来る台風の発生する場所や大きさ、進路、そして被害が変化していることは地球自体の環境変化によるもので、それはあらゆる問題を引き起こしている現状の一つです。

自分の仕事から見ても、未来の問題はたくさんあります。 牛や豚などは、餌の国産飼料の自給率は僅か27%で、そのほとんどが海外からの輸入で賄われています。また、日本人が必要とする食料自給率も37%と知り、様々な事情で海外からの輸入がストップした場合、食べる事の楽しみより、『生きることに精一杯』という事になっていくだろうと感じています。

これからの未来に向けて何ができるかと考えた時、日本の自給率を上げていける仕組みが必要だと思い、地方の小規模農業従事者の声を聞いて、ネガティブな要素を埋めていこう、そのためには、地方の第一次産業者のネットワーク化が必要なのではないかと動いている最中に、今回のコロナ問題が発生しました。

まずは出来るだけ早く、日本の小規模第一次産業を強くしなければ、参入してもらえる環境整備や、国の支え、そして、多くの消費者がスーパーや、大型施設だけで買うという流れも変え、新たなルートも作れて、直接新鮮な農産物を、今までよりも農家さんを近くに感じてもらえるようになれば、第一次産業の方々も経済的にも強くなり、新規参入者も増えていくのではと可能性を感じています。

一般消費者の想いや考え方を少し変えてみるだけで、農業の未来の在り方が変わっていく気がするのです。

当店 METZGEREI KUSUDA は、食肉加工品を製造、販売をするテイクアウト専門店で、流通を失った農家さんからの農産物や農産加工品を僅かではありますが、店頭にて販売させていただいています。それでも、多くの飲食店を支えていた農家さんの農産物は日に日に廃棄せざるを得ない現状があります。

ap bank のフードリレーションネットワークの活動の GREAT FARMERS to TABLE の生産者サポートプロジェクトを多くの人に知っていただき、皆さんが行動を起こすことで、現状から流れを変える市場を生み出せていく事ができます。

未来を想い、『生きる』という事は食で繋がれてきました。食べる事の意義をもう一度考え直す岐路にきていると思います。

— 生産者 ⇄ 消費者になれば豊かに

小林 寛司 シェフ
villa aida

自然の変化のスピードが早い。自然災害は非日常ではなく日常になってきています。蓄電して自活できる重要性とか、人が集まることで協力して豊かになれる、といったことを地震や台風、今回のコロナウィルスのことで感じたことと思います。

自分たちの健康のため、未来ある子供たちをまもるため。自然の法則を知り、忘れられがちなジイちゃん&バアちゃんの知恵を生かし心豊かに暮らすこと。自然の中で暮らしている私は、庭にある果実の実でコンフィチュールや果実酒を作ります。畑でたくさんとれた野菜は砂糖漬けやピクルス、乾燥させて保存します。夏になるとたくさんのトマトを瓶詰して保存できるようにします。秋には稲を刈り、オリーブを収穫し塩漬けします。あ、今年も夏(秋)が来たと1年という時間を体で感じることができます。食べ物が育つのにかかった時間と関わったすべての人に感謝の気持ちもあります。風土や気候。農家さんや漁師さん。料理をしてくれた人。

ところが、都会で暮らす人が増え、スーパーに行けば世界中の あらゆるものが手に入り食物が持つ時間との関わりを実感することが難しくなってしまっているような気がします。忙しさのあまり食事の大切さを考える時間や、食事の時間も少なくなってきているような...。何が豊かか、人それぞれだとは思いますが、こういうのもあるよぉってね...近隣の生産者と共に身近にあるもので「ちょっと今の食生活を変えてみようかな?」って、きっかけを作りの場を作っていきたいです。

わたしたちは休日には畑仕事をします。土を耕したり、草を引いたり、虫をとったりして・・そうして育てた野菜を自分たちの食卓に。仕事と生活をしながら、自然と共に暮らしています。

生まれ育った場所・郷土と共に自然と接点を持ち暮らしていくことが大切になってきていると思います。そして都会に暮らしていればなんでも届くと思いますが、もし、とても良い野菜に出会ったときはその生産者を訪ねてみてください。生産者から直接購入するのは素晴らしいです。お菓子を持って行ったり、畑を手伝ったり、直接感謝を伝えると作っている人は本当に嬉しいです。

生産者 ⇄ 消費者になれば豊かになれると思います。

— 食べることは生きること

原川 慎一郎 シェフ
the Blind Donkey

食べることは生きること。そして健やかに生きるためには、食や暮らしを司る自然環境を大切にすることです。

現在、長期間に渡る新型コロナウィルスの影響により、世界中の多くの人々が様々な困難に直面しています。日本でも遂に緊急事態宣言が発令され、都市部では本格的に長期間の様々な活動の自粛要請が求めらています。そんな中、私たち多くのレストランは少しでも感染拡大を抑えるためにも営業の自粛を決断しています。先が見えないこの状況の中で皆がどこまで耐えられるかは正直なところ全く分かりませんが、今はとにかく人々の命を守ることを最優先すべく、それぞれができる限りのことをしながらひたすら耐えようと頑張っているところです。そしてその先には私たちの暮らしに欠かすことのできない食べ物を作って下さっている農家さんやその他の生産者さんたちがいます。

私たち(the Blind Donkey)、そしてその他、世界中の多くのシェフ仲間たちは、様々な問題を抱える食の未来を危惧し、食を通して自然環境を守ることの大切さを強く感じており、そのメッセージをひとりでも多くの人たちに伝えるべく、日頃より自然を尊重し、その多様性と健全な循環を大切にしながら農を営んでいる生産者さんたちの多大な力をお借りして料理をさせて頂いています。そういった農家さんの多くは、大手の流通に頼ることなく小規模で個人の力で農業を営まれており、その届け先の多くが私たちのようなレストランであることも少なくありません。ですから、現在私たちレストランが営業を休止している現在、そういった生産者さんたちも当然苦しい状況に直面しています。

今回の ap bank のフードリレーションネットワークの活動に基づく GREAT FARMERS to TABLE の生産者サポートプロジェクトはまさにこの状況を機に、今だけではなく未来へ繋がる持続可能な健全な食環境を築き、生産者の皆さんと消費者の皆さんが直接繋がっていくためのきっかけになると確信しています。

改めて、今、本当に私たちひとりひとりの力が重要です。誰かに頼るではなく、何かを待っているのではなく、私たちひとりひとりができる限りのことを尽くすことがとても大切だと。そして、その皆さんのポジティブな力が繋がりと広がりを見せはじめた時に、健やかな未来が待っているのではないでしょうか。

食べることは生きること。

私たちひとりひとりが大切な食の環境を守ることが、豊かな暮らしを守ることになると信じています。

— 生産者の方々の試みに助けられて

樋口 敬洋 シェフ
SALONE TOKYO

私がお付き合いさせていただいている生産者の方々は、常に私たちの声に耳を傾け続けてくれています。海外で出会った日本にはまだ出回っていない野菜やハーブの話をさせていただいた際には、歴史背景、地元での消費の仕方、楽しみ方まで、細かく興味を持って聞いてくれました。

食材の理解を深めた上で種を取り寄せ、試行錯誤して栽培していただき、毎年収穫の時期にはお客様や料理人仲間と畑に行って一緒に作業をすることで、日常味わえない体験もさせていただいています。海外で感銘を受けた食の体験をお客様にレストランで体験いただき、楽しんでいただくことを仕事にしていく中で、生産者の方々の色々な試みに助けてられています。

今は、変化していく中で、私は私の立場で出来ることを精一杯やって行くしかないと考えています。お客様からいただく、日々の温かい言葉に励まされています。泣きそうです、いや、もう泣いています。僕たちは、お客様たちの言葉に元気をいただいています。ap bank『GREAT FARMERS to TABLE』の活動によって、僕が日々力をもらっているお客様の気持ちが、生産者の方々にも届くことを願っております。

— 第一次産業に目を向け

松岡 英雄 シェフ
割烹 まつおか

今までの生活が制限されている中、大変な思いをされている事と思います。食の分野も皆協力して集まる場所は自粛し、第一次産業の方々も他の分野の方々も最低限の必要なものを、努力して供給して、いただいております。特に医療行政の方々には大変な思いをしていただいてると思います。

食に関しては、第一次産業は有事の時に注目され自分たちが食べることによって生かされ幸せを与えられると自覚します。こういう時こそ第一次産業に目を向けていただけるとありがたいと思います。ap bank も第一次産業の応援をしています。これからも、地元の生産者に目を向けて、気に留めていただけると嬉しく思います。

— 日々の食卓を何よりも豪華に

目黒 浩敬 シェフ
Fattoria AL FIORE

新型コロナウィルスにおいて、罹患された方、亡くなられた方に、お見舞、お悔み申し上げます。私達が今、目の前に飛び込んでくる情報は、もしかしたら、みなさまそれぞれが、行き過ぎた情報社会の中で混乱し、すこしだけ、人の豊かさの本質的なことから、遠ざかっているのかもしれません。そして、この新型コロナウィルスという使者によって、今一度、人の本来の豊かさとは何か?ということを、気づかさせてくれるためのものかもしれないのです。決して宗教的な意見ではなく、現在の情報化社会に麻痺してしまった人のミクロな視点を、もっと長い時間軸まで離れてみたマクロの視点に立ってみたら、そう難しいことではないように思います。

自分が生きている現在だけをみたら、いい事も悪い事もありますけれど、自然の営みからみたら、そう大したことでもないことなのかもしれません。しかしながら、ウィルスの影響は多方面で計り知れない経済的ダメージを加えていることも事実です。

今回に限らず、apbank における GREAT FARMERS to TABLE の取り組みは、生産者と消費者が日頃から繋がることのできるいい機会だと思います。災害時のみならず、普段から志高き生産者とのコミュニティを造ることは、日々の食卓を何よりも豪華にしてくれます。どうぞみなさま、心穏やかで豊かな日々を過ごせるように、お祈り申し上げます。

ABOUT GREAT FARMERS to TABLE

GREAT FARMERS to TABLE に参加している生産者は、みな自らの手で気持ちを込めて食材を作っている食の生産者です。農家や漁師、畜産系の第一次産業を担う生産者に加え、第一次産業との深い繋がりの中で食品を作っている生産者が参加しています。

そしてこの『GREAT FARMER』という呼び名は、ここに賛同いただいたシェフたちにとって、彼らが作ってきた料理をこれまで成り立たせてきてくれた食材とその生産者に対しての心から敬意の表れでもあります。

一方、私たちは都市部を中心に外出・外食の自粛をしいられるなかで、より食卓や家庭での生活を豊かに彩り、この状況下で前向きに生活していくことが必要とされています。普段はお互いに顔を合わせない生産者と消費者、それぞれが厳しい状況を乗り越えていこうとするなかで、お互いの気持ちを通い合わせることが、日本の食文化をあらためて捉え直すきっかけになることを願っています。

最後に、今回多くのシェフにはご自身も厳しい状況にかかわらず、利他の精神を発動されご賛同、ご協力いただきましたこと、心からの感謝と敬意を表します。ご協力いただいたシェフの方々へは何らかの形でサポートができないか、引き続き考えてまいりたいと思っております。